時代に翻弄された者の歌「フランシーヌの場合」
新谷のり子の「フランシーヌの場合」は、1969年6月15日に発売されました。
彼女、新谷のり子のメジャーデビュー曲であり80万枚売り上げた大ヒット曲です。
「フランシーヌの場合」は、フランス人女性フランシーヌ・ルコントがパリで起こした政治的講義のための焼身自殺を題材に、作詞はいまいずみあきらによって作曲は郷伍郎によって作られました。
この曲は事件からたった3ヶ月後の反安保の日に販売されたのです。
フランシーヌ・ルコントはベトナム戦争やナイジェリアのビアフラの飢餓に心を痛め、パリ拡大会談の会場から200メートルの場所で自殺しました。
国連事務総長などに訴えの手紙も書いたことがあると言われています。
当時日本もベトナム戦争や沖縄闘争などいろんな問題を抱えており、多くの人々の支持を得ました。
この曲「「フランシーヌの場合」」のジャケットの下半分のタイプ文字は、フランス語で書かれたフランシーヌの事件の新聞記事です。曲の中では、当時のニュースがフランス語でも流れるなど反戦歌だとわかりやすく表現されています。
フランシーヌは精神疾患だとも言われており、突発的に自殺を行ったのかもしれませんが、一人の女声が自殺をしても何も変わらない無常さや無気力さが歌に現れています。
50代、60代の方はこの曲を聴くと、当時のことを鮮明に思い出されることでしょう。